Yahoo知恵袋に下記のような質問がありました。
学歴フィルターにかからない大学って存在するんでしょうか。 東大は絶対かからないですよね?
「学歴フィルター」とは、企業の採用活動にエントリーしてきた就活生をふるいにかけるために使われる一つの基準です。
低学歴の就活生は学歴フィルターによって選考前に足切りされてしまうため、「学歴だけで判断しないで欲しい」という文句が出ることも多いです。
しかし、企業側の立場に立てば、数千人もの応募者の全員と面接試験をすることは現実的ではありません。
学歴フィルターは手っ取り早く基礎能力の高い学生を選抜できる方法であり、使わない理由はないでしょう。
この記事では、「学歴フィルター」に絶対にかからないと言われている大学42校について、本当にかからないのかどうか徹底調査しました。
結論から言うと、
学歴フィルターにかからない大学は存在しない可能性が高いです。
詳しく見ていきましょう。
学歴フィルターにかからない大学「42校」とは?
最近巷で話題になっているのが、「学歴フィルターにかからない大学42校」です。
学歴フィルターにかかる大学、ではなく「かからない大学」なので、
学歴フィルターの影響を受けないくらいレベルの高い大学、と理解しておきましょう。
【旧帝大:7校】
北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学
【関東の国公立大学:13校】
一橋大学、筑波大学、東京工業大学、東京外国語大学、お茶の水女子大学、東京医科歯科大学、電気通信大学、東京都立大学、東京農工大学、横浜国立大学、横浜市立大学、埼玉大学、千葉大学【関西・東海地方の国公立大学:6校】
大阪公立大学(大阪府立大学・大阪市立大学)、神戸大学、大阪外国語大学、奈良女子大学、名古屋市立大学【関東の私立大学 12校】
慶應義塾大学、早稲田大学、上智大学、学習院大学、明治大学、東京理科大学、青山学院大学、中央大学、立教大学、芝浦工業大学、法政大学、国際基督教大学(ICU)【関西の私立大学 4校】
関西大学、関西学院大学、立命館大学、同志社大学
上記の表をパッと見る限り、東京大と埼玉大が両方入っていたり、東京医科歯科大はココに入れてよいのか等、ツッコミどころはあるものの、
おおむね国内の高偏差値の大学を集めたリストになっています。
これら42校は、本当に学歴フィルターにかからないのでしょうか?
また、もし学歴フィルターにかかる場合、どの程度の就職難易度の企業で引っ掛かるのでしょうか。
東京一工・旧帝大・早慶はほとんど学歴フィルターにかからない
42校の中で、「東大・京大・一橋大・東京工業大」「旧帝大」「早慶」に関しては学歴フィルターにかかることはほとんどありません。
国内で最も就職難易度が高い企業群であると言われる「総合商社」においても、
東京一工・旧帝大・早慶レベルであれば学歴フィルターの存在を感じることはないと思われます。
ただ、某外資系戦略コンサルティング会社では、新卒採用者の約6割が東大生だったという情報もあり、
早慶でさえもフィルタリングされてしまうケースがないとは言えません。
GMARCH・関関同立・5S・四工大が学歴フィルターにかかるケースはある
42校の中にはGMARCH・関関同立の大学が全て含まれています。
一方、5Sからは埼玉大のみが、また四工大からは芝浦工大のみが入っていますね。
→5S、四工大って何?という方は大学群についてまとめた下記記事も参考にしてみてください。
これら4つの大学群を比較するために、東洋経済新報社が発表した「有名企業400社への就職率トップ200校」を見てみましょう。
18位 同志社大
22位 芝浦工大
26位 明治大
30位 青山学院大
31位 関西学院大
33位 中央大
35位 立教大
38位 立命館大
40位 法政大
47位 学習院大
55位 関西大
67位 埼玉大
この順位を見ると、GMARCH・関関同立・5S・四工大の間でもかなり差があることがわかると思います。
GMARCHと関関同立はほとんど横並びですが、芝浦工大が22位と健闘している一方、埼玉大は67位と少し出遅れています。
この就職実績から考えると、特に5Sの大学には学歴フィルターがかかっている可能性が示唆されますね。
また、一般的には難関大学とされるGMARCHでも、前述した総合商社のような最難関企業の内定を狙おうとすると学歴フィルターにかかる可能性があります。
→総合商社の新卒採用実績を分析した記事はこちらです。
詳しくは上記記事に書いてありますが、GMARCHから総合商社に内定する確率は約0.12%となっており、この確率は1年間で空き巣にあう確率とほぼ同じです。
GMARCH・関関同立以下の就活生は、総合商社への就職はあきらめて、他の企業を狙うことをおすすめします。
一方、テレビ局や広告代理店といった業種ではGMARCH・関関同立は合格圏内におり、学歴フィルターにかからない可能性が高いです。
このあたりの大学はギリギリ「難関大学」と呼べるレベルにあり、まだ就職先の選択肢が広いといえるでしょう。
下位大学は学歴フィルターにかかる可能性がより高くなる
この42校に載ることができないような下位の大学群、具体的には日東駒専・産近甲龍のレベルまで落ちてくると、学歴フィルターにかかる確率が上がってきます。
当サイトが難関企業の人事担当に独自ヒアリングした内容を分析したところ、
いわゆる有名企業400社のうち大部分の会社では日東駒専・産近甲龍レベルの学生に何らかの学歴フィルターを使用していることが示唆されました。
実際、前述の有名企業400社への就職率トップ100校を見てみると、日東駒専は1校もランクインしていません。
会社説明会を予約しようと思ったら満席で予約できなかったり、エントリーシートを提出してもすぐにお祈りメールが返ってきてしまったり、苦汁を飲む就活生もいるようです。
このような大学に通う就活生は、有名企業への就職にこだわるより、
学歴フィルターが比較的緩いと言われる「有名企業の子会社」や中小企業に狙いを定めた方が無難かもしれません。
東大だって学歴フィルターにかかる可能性がある?
東大生であればあらゆる職種・企業から引く手あまたで、まさか学歴フィルターにかかるとは思いませんよね。
しかし、高学歴であることが逆に敬遠されるケースも存在します。
一例として挙げられるのがいわゆる「ブルーカラー」の業種です。
ブルーカラーは別名「現業職」とも呼ばれ、工場などの現場で仕事をする人達のことを指します。
・ビルメンテナンス
・警備員
・運送業
・とび職
・組み立て作業員
・メカニックエンジニア
これらの企業では、かつて「大卒=総合職、高卒=現業職」という図式が決まっていた時代に就職した世代が数多く在籍していることがあります。
最近では仕事の決め方の自由度が上がってきており、ブルーカラーの職種であっても大卒人材を募集している企業もありますが、
それでも現業職の先輩には高卒たたき上げで育ってきた人材が多く、急に高学歴の応募者が来ると警戒する傾向があるようです。
「大卒はお高く止まっている」「大卒はそのうち偉くなるからね」などと嫌味を言われた大卒の新入社員もいるとの話があります。
この現象は「逆学歴フィルター」とも呼ばれますが、学歴フィルターの一種と呼んでいいでしょう。
以上のように、一見学歴フィルターと無縁に見えても、見方を変えれば全ての大学が何らかの学歴フィルターにかかっている、とも言えるかもしれません。
また、就活生は「容姿フィルター」「身長フィルター」「性別フィルター」など、学歴フィルター以外にも様々なフィルターにかかっている可能性があります。
→身長フィルターの存在の可能性を示唆した記事はこちらです。
企業へのOB訪問や情報収集をしっかりと行ったうえで、できるだけ効率良く就活を進めたいものですね。
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