Yahoo知恵袋に下記のような質問がありました。
産近甲龍は学歴フィルターに引っかかる、そんなところ行かない方がいいなど聞き、浪人するか迷っています。
正直なところ浪人して耐えれる気がしないです。
産近甲龍からだと良い企業は目指せないのでしょうか?
「産近甲龍」とは、「京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学」の頭文字を取って作られた言葉で、近畿地方の中堅私立大学4校をまとめた通称です。
4校の中の序列としては近畿大学が頭一つ抜けており、残り3校が下に並んでいる状態です。
最近では甲南大学の代わりに佛教大学を加えた「産近佛龍」という呼び名も誕生し、京都や滋賀などの進学塾で使われています。
この産近甲龍ですが、就活では「学歴フィルターによく引っ掛かる」というのがもっぱらの噂です。
毎年就活シーズンになると、SNS上では「産近甲龍受かったけど就活で学歴フィルターにかかるくらいなら浪人した方がいいかな…」「関関同立なら大丈夫そうだけど、産近甲龍だと学歴フィルターしんどそう」といった声が数多く挙がります。
実際のところ、産近甲龍の就活における学歴フィルターはどの程度かかるのでしょうか?
有名企業400社への就職率や、難関企業の大学別採用人数から分析しました。
結論から言いますと、
産近甲龍は学歴フィルターにかかる可能性が高いです。
しかし、そこまで難関企業にこだわらなければ狙い目の就職先はあります。
詳しく見ていきましょう。
有名企業への就職率を産近甲龍と関関同立で比較するとどうなる?
「有名企業400社への就職率が高い大学ランキング」という記事が公開されています。
国内の有名企業400社に対する卒業生の就職率を、高い順に並べたランキングです。
そのランキングの中から「関関同立」および「産近甲龍」の大学だけ抜き出すと下記のようになります(産近甲龍を太字にしました)。
大学名 | 順位 | 有名400社 就職率 |
---|---|---|
同志社大 | 18 | 26.2 |
関西学院大 | 31 | 20 |
立命館大 | 38 | 17.3 |
関西大 | 55 | 13.4 |
近畿大 | 100 | 7.3 |
甲南大 | 109 | 6.4 |
京都産業大 | 114 | 6 |
龍谷大 | 125 | 5.2 |
関関同立は4校とも有名企業400社への就職率トップ100に軽々とランクインしている一方、産近甲龍は4校とも100位以下となっています。
このランキングを見るだけでも、関関同立と産近甲龍の違いが明確にわかりますね。
もちろんこの差は学歴フィルターによるものだけとは限らず、就活生の能力差によるものも大きいと思われます。
有名企業への就職率を産近甲龍と日東駒専で比較するとどうなる?
では、次に同じランキングから産近甲龍と日東駒専を抜き出してみましょう。
一般的に、関東の「日東駒専」と関西の「産近甲龍」は同じレベルと認識されていますが、有名企業への就職率に差は出るのでしょうか。
大学名 | 順位 | 有名400社 就職率 |
---|---|---|
近畿大 | 100 | 7.3 |
甲南大 | 109 | 6.4 |
京都産業大 | 114 | 6 |
龍谷大 | 125 | 5.2 |
日本大 | 110 | 6.3 |
東洋大 | 113 | 6.1 |
専修大 | 149 | 4.2 |
駒澤大 | 155 | 4.1 |
このデータを見ると、日東駒専よりも産近甲龍の方が有名企業への就職率が高い傾向がありますね。
産近甲龍は4校とも似たような就職率ですが、日東駒専の中では専修大と駒澤大が足を引っ張っており、全体としてランクが下がっています。
一般的な大学偏差値を比べた場合、日東駒専の方が産近甲龍よりも若干高い傾向があるのですが、有名企業への就職実績で見ると逆の傾向があることがわかりました。
ただ、学歴フィルターという観点で見た場合、日東駒専も産近甲龍も同じくらい厳しく学歴フィルターはかかることがあるため、あまり大きな違いはないと考えた方がよいでしょう。
産近甲龍から人気企業に何人就職してる?学歴フィルターの存在は?
次に、難関企業への大学別採用数を分析し、産近甲龍からどのくらい採用されているのか調べてみました。
今回は就活生から人気のある3つの業種「総合商社」「テレビ局」「IT・ソフトウェア・情報処理」について紹介します。
総合商社には産近甲龍からほとんど採用されない
総合商社については、採用大学を細かく分析した記事をまとめました。
いわゆる国内の「5大総合商社」における2022年卒の新卒約500名の採用大学を分析したところ、
採用者の多くは東大・京大・早慶出身者で占められており、MARCH・関関同立ですらほとんど採用されていないことがわかりました。
当然ながら産近甲龍からの採用人数はゼロです。
総合商社といえば離職率が3%台、平均年収は1,500万円を超える超優良企業として知られていますが、
産近甲龍に入学した時点で総合商社からの内定をあきらめざるを得ないという厳しい現実を見つめなければなりません。
もちろん過去数十年の採用実績をさかのぼれば産近甲龍からの採用者がいるかもしれませんが、
学歴フィルターの存在が疑われる以上、そのような天文学的な確率に頼るより、他の就職先を探した方がよいかもしれません。
テレビ局には産近甲龍からほとんど採用されない
下記の記事は、大手キー局5局(日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京)+NHKの計6社における採用者を分析したものです。
この記事によると、2022年度における大手テレビ局6社の採用数276名のうち、産近甲龍の出身者はゼロという結果でした。
テレビ局も総合商社と同様に難関企業群として知られており、学歴フィルターやコネ入社の存在も噂されていますが、産近甲龍レベルでは採用プロセスを勝ち抜くのは難しそうです。
IT超大手には産近甲龍からほとんど採用されない
就活生に人気のある「IT・ソフトウェア・情報処理業界」より、超大手の5社を選んで採用大学を調べた結果は下記の通りとなりました(採用人数は2022卒の実績から抜粋)。
同志社大 9名
立命館大 6名
産近甲龍 0名
同志社大 10名
関西学院大 8名
産近甲龍 0名
同志社大 19名
立命館大 10名
産近甲龍 0名
同志社大 23名
産近甲龍 0名
同志社大 10名
立命館大 6名
産近甲龍 0名
比較のために関関同立の採用人数を並べてみましたが、5社ともに産近甲龍からの採用人数はゼロ名です。
関関同立は何とか数名の採用者を輩出しているものの、産近甲龍はゼロ。
いくら偏差値が違うとはいえ、一人も合格できていないところを見ると、何らかの学歴フィルターが働いているのでは、という疑問が湧いてしまいます。
大手の子会社なら学歴フィルターをかわせる可能性がありそう
産近甲龍から大手企業への就職は厳しそうなので、少し観点を変えてみましょう。
大手企業の本社への採用が難しいとしても、子会社なら少しは希望があるかもしれません。
同志社大 10名
立命館大 8名
関西大 6名
関西学院大 4名
龍谷大 2名
甲南大 2名
日立システムズは日立製作所の子会社の一つで、売上高5,000億円、平均年収は600万円にもなるかなりの優良IT企業です。
この企業には産近甲龍からから4名の採用者が出ており、穴場と言えるかもしれません。
龍谷大 3名
関西学院大 3名
近畿大 2名
関西大 1名
東武トップツアーズは東武鉄道の子会社で、旅行サービスを提供する会社です。
こちらも売上高は約700億円あり、親会社が安定しているのは強みですね。
ここに挙げたのは一例ですが、大手企業の子会社は産近甲龍の就活生にとって狙い目と言えるかもしれません。
子会社ということもあり比較的学歴フィルターは緩めの傾向があるので、
産近甲龍の就活生は難関企業にばかりエントリーするのではなく、子会社含め様々な企業に幅広くエントリーして採用確率を高めることをおすすめします。
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