Yahoo知恵袋に下記のような質問がありました。
P&Gの採用大学に詳しい方に質問です
学歴フィルターがありますか?
P&Gはアメリカに本社を置く「プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)」の日本における子会社です。
P&Gの商品と言えば、おむつの「パンパース」や衣料用洗剤「アリエール」、台所用洗剤「ジョイ」などの製品が有名ですね。
P&Gは実力主義の外資系企業として知られており、平均年収も約830万円とかなり高い水準で、就活生からの人気も高いです。
このP&Gですが、就職倍率が高いだけあって、採用活動を効率的に進めるために「学歴フィルター」が使われている可能性が指摘されています。
そこで、P&Gの新卒採用実績を分析し、学歴フィルターがどの程度かかっているのか予測を試みました。
P&Gの学歴フィルターは「旧帝大より下」にある
P&Gにおける2022年の新卒採用者全54名の出身大学を一覧化しました。
参考情報として、一番右の列に「大学群」を記載しています。
順位 | 大学名 | 採用人数 | 大学群 |
---|---|---|---|
1 | 慶應義塾大 | 11 | 早慶 |
2 | 東京大 | 8 | 東京一工・旧帝大 |
3 | 大阪大 | 7 | 東京一工・旧帝大 |
早稲田大 | 7 | 早慶 | |
5 | 京都大 | 4 | 東京一工・旧帝大 |
東京工業大 | 4 | 東京一工・旧帝大 | |
上智大 | 4 | SMART | |
8 | 北海道大 | 2 | 東京一工・旧帝大 |
神戸大 | 2 | ||
10 | 東京外国語大 | 1 | |
明治大 | 1 | SMART | |
立命館大 | 1 | 関関同立 | |
関西学院大 | 1 | 関関同立 | |
西南学院大 | 1 |
P&Gの新卒採用数はIT系大手などの異業種と比べると少なく、毎年50~100名程度となっており、少数精鋭のイメージがあります。
→大学群って何?という人は下記記事をチェック!大学群28個についてまとめています。
P&Gの採用大学は早慶&旧帝大がほとんど
一覧表を見れば一目瞭然ですが、慶応義塾大(11名)、東京大(8名)、大阪大(7名)、早稲田大(7名)、京都大(4名)、東京工業大(4名)と、
圧倒的に早慶と旧帝大が強いことがわかります。
早慶と旧帝大が大部分を占めているということは、
日本国内における最難関レベルの大学出身者でないと採用は難しいということを表しています。
P&Gは2020年の「企業入社難易度ランキング(化学・医薬品部門)」で第2位の富士フイルム、第3位の住友化学を押さえて第1位となっており、
その採用倍率は100倍を超えるとも言われています。
採用大学を見ても、P&Gの入社難易度がうなづける結果になっていますね。
P&Gは早慶&東京一工・旧帝大で新卒採用全体の約8割を占めており、残り2割を他の大学が争う形となっています。
この時点で、もはや「P&Gの学歴フィルターは旧帝大より下」と言っても過言ではないかもしれません。
このような高いレベルで学歴フィルターがかけられる企業は最難関の企業と言えるでしょう。
→似たような難易度の企業群として、総合商社の学歴フィルターについて調査した記事はこちらです。
P&Gの採用大学はSMART・関関同立がギリギリ最低ライン
一覧をさらに見ていくと、上智大(4名)、明治大(1名)、立命館大(1名)、関西学院大(1名)とわずかながらSMART・関関同立からの採用実績があります。
また、これらの大学より下位レベルの大学からの採用は皆無となっています。
いくら大学ごとに学生の基礎能力に差があると言っても、これだけ極端な違いが出るということは、
P&Gの採用において、何らかの学歴フィルターが存在する可能性を示唆しています。
P&Gの選考に学歴フィルターはどのようにかけられているのか
「学歴フィルター」とひとえに言っても、そのかけ方は様々です。
ここではP&Gのような外資系企業によくある学歴フィルターのかけ方について解説します。
学歴フィルターのかけ方①:大学ごとに企業説明会を開催する
P&Gに限らず、多くの外資系企業では優秀な学生を囲い込むために、大学ごとに個別の企業説明会を実施することが多いです。
そのような説明会は東大や京大、早慶といった難関大学内で開催されることがほとんどであるため、
他の大学の学生は参加することもできません。
また、その開催アナウンスは該当の大学に通う就活生にのみ伝えられることもあり、
他の大学の就活生が気付かないままに就活が進んでしまっているケースもあります。
おいP&Gのイベント東大生限定って学歴フィルターどころの騒ぎじゃない
— ろむ (@crolom_niconico) July 16, 2019
上記はtwitterの書き込みですが、P&Gによる東大生限定の就活イベントが開催されていたようです。
これも一つの「学歴フィルター」と呼んでも良いのかもしれません。
学歴フィルターのかけ方②:会社の公式サイトからのインターン申し込み時に選別する
多くの企業では採用活動の一環としてインターンを実施していますが、インターンの申し込みは会社の公式サイト経由で行われることがあります。
申し込み時には当然大学情報を入力することになりますが、この時点で大学名による選別が行われる場合もあります。
もちろんP&Gがそのような会社であるという確証はありませんが、実際の採用大学を見ると極端に難関大学に偏っており、
学生の基礎力の違いを考慮したとしても学歴フィルターの存在の可能性はあると思ってよいかもしれません。
学歴フィルターのかけ方③:就職ナビサイトの設定で選別する
多くの就活ナビサイト上では、人事担当者がボタン一つで大学ごとの合否を決められるようになっています。
例えば就活ナビサイト経由で会社説明会に申し込みしてきた就活生に対して、
大学名を指定して自動的に合否判定をすることが可能です。
就活シーズンになるとよく聞く「会社説明会に申し込んだら、既に満席だった」とか「即お祈りメールが来た」というような話がありますが、
これらは都市伝説ではなく、実際にボタン一つで設定可能なのです。
この情報はあまり公開されていませんが、当サイトが独自に一部上場企業の人事担当に確認していますので確度の高い情報です。
P&Gの口コミを紹介します
最後に、当サイトによる社員へのヒアリングや各種SNS・就活サービスへの書き込み等を元にしたP&Gに対する口コミや主な評価を紹介します。
オープンでフラットな企業文化
P&Gは外資系企業らしく、オープンな議論を良しとする企業文化があります。
徹底した個人主義・結果主義・競争主義。結果さえ出していれば何も言われないが、逆にパフォーマンスが悪いと社内で居場所がなくなる。
上司や部下関係なく、本音で思ったことを言い合える雰囲気があります。
お互いにビジネス/相手の成長にとって必要なことは風通し良く伝え合うという風土があります。
オープンであるということは、逆に言えば「オープンに議論できない人が目立ってしまう」ということでもあります。
また、外資系企業のあるあるとしてよく挙げられるのが、「外資系は意外に社内政治が求められることが多い」ということです。
日本の伝統的な企業のように人事評価を手厚く実施する代わりに、上司の鶴の一声で評価が決まってしまうケースもあり、
いかに上司と良い関係性を保つか、が重要になってくる場合もあります。
オープンでフラットと言えば聞こえはよいですが、実際にはウェットな関係が求められるケースもあり、
外資系と言えども日本の会社と変わらない点もありそうです。
若手のうちから責任ある仕事ができる
P&Gにおいて特に新卒メンバーは、他社であれば入社3年目くらいの人がやるような仕事を1年目で任される、という口コミが複数ありました。
若手のうちから成長を期待されており、それなりの負荷をかけられることが多い。
入社1~2年目までは覚えることも多くしんどかった。
入社初日からリーダーシップを見られます。上司からも周りからも。
リーダーシップがすぐに見える形で出せないと、長続きしないと思います。
その一方、プレッシャーが強くかかる職場のため、プレッシャー耐性が高い人でないと続けるのは難しいのかもしれませんね。
残業が必要になることも
自分の裁量で仕事ができる分、多くの仕事が降ってくる職場環境であることが多いようです。
自分の仕事以外にもトレーニングや資格取り、リクルーティングなどやることが多い。
生ぬるい環境で働きたい人には向いていないと思います。
このように、P&Gで長く働くためには学歴フィルターをくぐり抜けるだけでなく、かなり高い業務遂行能力が求められます。
高学歴かつ自信のある人はチャレンジしてみてもいいのではないでしょうか。
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