Yahoo知恵袋に下記のような質問がありました。
芝浦工業大学は学歴フィルターにかかりますか?
「芝浦工業大学」は、東京都の豊洲に本部を置く私立大学で、
「工学部」「システム理工学部」「デザイン工学部」「建築学部」の4学部があります。
私立の理工系単科大学としてはトップクラスの難易度を誇り、
専門性を活かして研究職などの専門職に就く卒業生が多いことで知られています。
そんな芝浦工業大学ですが、就活シーズンになるとよく話に挙がるのが「芝浦工大は学歴フィルターに引っ掛かるのか?」という疑問です。
芝浦工業大学は偏差値だけならGMARCHにも劣らないのですが、
いかんせん知名度が低く、ちょっとかわいそうな一面もあります。
そこで、芝浦工業大学の就職実績を分析し、学歴フィルターを乗り越えて採用が狙える企業はどこなのか探ってみました。
芝浦工大は大学群「四工大」に属している
まず、芝浦工大のレベルについて確認しておきましょう。
芝浦工業大学の偏差値は50~60です。
早慶には及びませんが、GMARCHの理系学部とは互角に戦えるくらいの偏差値はあります。
→大学群の細かい序列については、下記記事にまとめてありますのでご参照ください。
芝浦工業大学は「四工大」と呼ばれる大学群に属しています。
四工大とは「芝浦工業大学」「東京都市大学」「東京電機大学」「工学院大学」という東京都内にキャンパスを置く理工系大学をまとめた呼び名です。
四工大の中では芝浦工大が偏差値の観点で最も高い水準となっています。
芝浦工業大学 ≒ GMARCHの理系 > 四工大(芝浦工業大学を除く) ≒ 日東駒専の理系
芝浦工業大学の就職率は97.1%
そんな芝浦工業大学ですが、就職希望者に対する就職者の割合は97.1%となっており、
高い就職率を誇っています。(出典:芝浦工業大学公式サイト)
では、芝浦工業大学の卒業生はどの企業に何人くらい就職しているのでしょうか。
芝浦工業大学が就職に強い業種とは?
芝浦工業大学の主な就職先が公開されていますので、まずはその一覧を見てみましょう。
就職先 | 人数 |
---|---|
東海旅客鉄道株式会社 | 24 |
NECソリューションイノベータ株式会社 | 18 |
株式会社SUBARU | 15 |
日本電気株式会社 | 13 |
東日本旅客鉄道株式会社 | 13 |
ボッシュ株式会社 | 13 |
本田技研工業株式会社 | 12 |
キヤノン株式会社 | 11 |
五洋建設株式会社 | 9 |
東京都庁 | 9 |
東日本電信電話株式会社 | 8 |
凸版印刷株式会社 | 8 |
戸田建設株式会社 | 8 |
大成建設株式会社 | 7 |
西松建設株式会社 | 7 |
SCSK株式会社 | 7 |
アズビル株式会社 | 7 |
日本工営株式会社 | 7 |
独立行政法人都市再生機構 | 6 |
三菱電機株式会社 | 6 |
大和ハウス工業株式会社 | 6 |
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ | 6 |
鹿島建設株式会社 | 6 |
清水建設株式会社 | 6 |
芝浦工業大学がJRへの就職に強い理由は?
芝浦工大は古くからJR(旧国鉄)とのつながりがあります。
というのは、芝浦工業大学附属中学高等学校の前身が1922年に設立された「東京鉄道中学」であり、
多くの国鉄職員の出身中学だったからです。
そのため、現在でも芝浦工業大学はJRへの就職に強く、
就職先一覧でも東海旅客鉄道株式会社(JR東海)が1位、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)が4位に入っています。
学歴フィルターとはちょっと違いますが、大学と企業とのつながりが見えて興味深いですね。
芝浦工業大学は建設会社への就職にも強い
芝浦工業大学の就職先一覧を見ると、建設会社が多くランクインしているのがわかります。
これは、芝浦工大に「建築学部」があることが大きな理由です。
また、工学部にも土木工学科や環境システム学科といった建築関係の学科があり、それらの学科から建設会社へ就職するケースも多く見られます。
技術系の知識を活かせば大手自動車メーカー、SIerも狙える
一般的に大手の自動車メーカーやSIerの採用では学歴フィルターがかかることがあり、悩む就活生もいることと思います。
が、芝浦工大はさすが理工系大学の雄だけあって、株式会社SUBARUや本田技研工業といった大手自動車メーカーや、NEC、SCSKといった大手SIerにも多少ながら就職者を輩出しています。
芝浦工業大学が学歴フィルターにかかるのはどのような企業か?
では、逆に芝浦工大でも学歴フィルターに引っ掛かってしまうのはどのような場合なのでしょうか?
総合商社・銀行・広告代理店はそもそも理系の採用率が低い
就活生から人気のある業種として有名な「総合商社」「広告代理店」「銀行」について見てみましょう。
3業種とも文系からの採用が主であり、理系の採用率は10%~30%と低めです。
どの業種も近年は理系の採用を積極的に進めてはいるものの、文系に追い付くにはまだまだ時間がかかるでしょう。
そもそも総合商社や広告代理店といった超人気業種は、昔から学歴フィルターが厳しいことで知られています。
早慶&旧帝大以外は全て学歴フィルターにかかるのでは?という噂があるほどです。
→参考として、総合商社の新卒採用実績を分析した記事を紹介します。
芝浦工大から総合商社への採用人数はゼロです。
また、メガバンクや広告代理店といった人気企業の採用においても、芝浦工大からの採用実績はほぼありません。
→メガバンクの学歴フィルターを分析した記事はこちらです。
また、大手広告代理店の学歴フィルターについても分析した記事を書きました。
データサイエンスやAIなどの専門知識があったとしても、芝浦工大レベルでは人気企業の採用となると箸にも棒にも掛からない可能性があります。
IT系人気企業は学歴フィルターにかかる可能性がある
それでは、IT系の企業ではどうでしょうか。
芝浦工大の上位互換としてよく知られている東京理科大と芝浦工大で、IT系人気企業の採用人数を比較してみましょう。
<IT系人気企業の採用人数比較>
芝浦工業大 | 東京理科大 | |
---|---|---|
ソニーグループ | 4 | 26 |
日立製作所 | 4 | 23 |
パナソニック | 3 | 11 |
富士通 | 2 | 26 |
NTTデータ | 5 | 24 |
日本IBM | 5 | 16 |
この表を見れば一目瞭然かと思いますが、東京理科大と芝浦工業大では圧倒的な差があります。
もちろん偏差値に差があるため、学生の基礎能力に違いが出るのは当然ですが、それにしてもここまで差が付くのは少し違和感があります。
大手SIerに学歴フィルターがある可能性がありますが、
それでも芝浦工大からの採用を狙うのであればデジタル技術を身に付け、専門性をアピールした方がいいでしょう。
昨今はどのIT系企業もデジタル人材を求めており、中途採用でもデータサイエンティストやAIといった専門知識を持った人材の需要が急速に高まっています。
新卒でも専門知識を持った人材が重用される傾向はあるため、技術を身に付けておいて損はないと思います。
芝浦工大が学歴という不利な状況を打破するためには、技術力を磨く必要性があるということではないでしょうか。
参考:同じ大学群「四工大」に属する工学院大学についてまとめた記事はこちら。
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